個人再生と官報 


個人再生と官報
個人再生では、公告(「広告」ではありません)の手段として官報が使われます。

後述しますが、官報には再生債務者の住所や氏名が掲載されます。

この点から、「完全に内緒で手続きを進めたい」というあなたの希望は打ち砕かれることになります。

これは仕方のないことです。

ですが、必要以上に不安に思われることもないと思います。

本記事では、個人再生と官報について簡単にまとめてみました。

ぜひご参考にしてください。

 

官報に載るタイミング

個人再生で官報に載るタイミングは3度あります。

 再生手続開始時
書面決議に付する決定時(小規模個人再生のとき)/
給与所得者等再生による再生計画案についての意見聴取時(給与所得者等再生のとき)
 再生計画認可時

 

官報掲載事項(小規模個人再生の場合)

上記3回、それぞれに共通して掲載されるのは、「再生債務者の氏名と住所」です。

 

再生手続開始時

平成○年(再イ)第○号
住所 ○○
再生債務者 ○○
1 決定年月日時 ○年○月○日午後5時
2 主文 再生債務者について小規模個人再生による再生手続を開始する。
3 再生債権の届出期間 平成○年○月○日まで
4 一般異議申述期間 平成○年○月○日から平成○年○月○日まで
○○地方裁判所○○支部

 

書面決議に付する決定時

平成○年(再イ)第○号
住所 ○○
再生債務者 ○○
1 決議に付する再生計画案 平成○年○月○日付け再生計画案
2 再生計画案に対する回答期間 平成○年○月○日まで
平成○年○月○日 ○○地方裁判所○○支部

 

再生計画認可時

平成○年(再イ)第○号
住所 ○○
再生債務者 ○○
1 主文 本件再生計画を認可する。
2 理由の主旨 平成○年○月○日までに書面による決議により可決があったものとみなされた再生計画には、民事再生法に定める不認可の決定をすべき事由はない。
平成○年○月○日 ○○地方裁判所○○支部

 

官報の媒体

紙とインターネットになります。

 

紙の場合

新聞紙のようなもので、ただ情報が掲載されている素っ気ないものです。

個人で購入して読む人もいるのだろうが、1ヶ月 3,641円(本記事作成日時)の購読料がかかる。

一部売り(スポット購入というようであるが)は140円からだそうである。ページ数が増えると金額が増える。

図書館だと無料で閲覧できる。

 

インターネット版官報

官報のサイトから自由に閲覧できます。(http://kanpou.npb.go.jp/)

直近30日間分の官報情報(本紙、号外、政府調達等)は、全て無料で閲覧できます。

官報のサイトには、

「なお、平成28年(2016年)4月1日以降の官報情報(政府調達)は公開期間に期限を設けないこととしましたので、直近30日を経過した分は「過去分はこちら」から閲覧できます。」

とありますが、

これは、政府調達に限定されるものであり、個人再生や破産の情報についての無料閲覧期間は直近30日間分になります。

 

官報に載る理由

債権者や利害関係人に再生手続等が開始したこと等を知らせることにより、公平な手続きを保証するために要求されます。

 

誰が載せるのか

裁判所(裁判所書記官)が行います(民事再生規則第5条)。

ちなみに、官報公告費用は申立時に債務者が納めます。

3回分合計で12,268円です。

 

住所・氏名が公開されることによる不安

官報に載ることは仕方がないです。
配偶者、近所の人に分かると嫌だ、会社に知られると困る等の不安があると思います。

 

個人再生で職を失うことはありません

下記のページにも書いたのですが、個人再生には職業上の欠格事由がありません。

個人再生の特徴その4 破産者のような資格制限がない自己破産の申し立てをして破産手続開始決定を受けると、職業上の欠格事由が生じます。破産者がなれない職業弁護士、公認会計士、税理士、弁理士、公証人、司法書士、不動産鑑定士、土地家屋調査士、宅地建物取引...

このことを心配して、個人再生の利用をためらう必要はないです。

 

配偶者・近所の人に分かると嫌だ

むしろ、これを、全てを打ち明けるきっかけにしたらどうでしょうか。

その上で、個人再生手続きで自分の負債を計画的に整理すると前向きな提案をすればいいのです。

ただ、「借金がある、どうしよう、ごめん」では相手も怒ったり、悲しんだりするかもしれません。

また、官報の問題とは別ですが、再生手続きの最中に、裁判所の職員の人が自宅を訪問するということはありません。

住宅特則を使う場合に、たとえば「この家は個人再生中である」と表示や公告等がされることもありません。

 

まとめ

個人再生手続きでは、官報に3度、再生債務者の住所と氏名が掲載される。

官報はインターネットでも見ることができる。

「完全に内緒で」というのは無理である。

しかし、必要以上に不安になることはない。

 
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