個人再生とピタパ


個人再生とピタパの関係

個人再生でどうなる、私のピタパ?

個人再生を含め、債務整理をする場合に、自分のピタパ(PiTaPa)カードを使い続けることができるかどうか気になりところであります。

会社への通勤に使っている、営業の仕事でピタパがあれば便利、ポイントが付くから引き続き使用したい等、カードがあれば何かと便利ですよね。

当事務所でも、この点は受けることの多い相談の一つであります。

以前当事務所で個人再生申立てをお手伝いしたご依頼者さまと、最近お話しをする機会がありまして、その方からピタパについて、親切にも情報提供していただいたこともあり、本記事では、個人再生をする場合に、ピタパカードがどうなるかについてご説明します。
 


 

1.利用料後払いの交通費は「共益債権」にあたるか

よく、「クレジットカード決済のピタパは利用できない」とありますが、「なぜ利用できないのか」についての解説がなく、なんだかすっきりしませんね。

ここでは、私の個人的解釈に基づいて解説してみたいと思います。

1-1.「継続的給付を目的とする双務契約」

個人再生では、債権者を平等に取り扱う必要がありますから、債務者が特定の誰かに好き勝手に返済することは許されません。これが原則です。

しかし、民事再生法では、例外として、債務者が支払うことができる「共益債権」という債権について規定しています。

 

まず、交通費がこの共益債権に該当するかどうかを考えます。

鉄道会社と利用者との契約は、有償双務契約という契約にあたります。

(利用者は乗車賃を払う義があり、鉄道会社は利用者を運ぶ義がある、つまり、「」が「」方にあるので、双務契約と言います。)

さて、双務契約について、民事再生法には下記の規定があります。

(継続的給付を目的とする双務契約)

第五十条  再生債務者に対して継続的給付の義務を負う双務契約の相手方は、再生手続開始の申立て前の給付に係る再生債権について弁済がないことを理由としては、再生手続開始後は、その義務の履行を拒むことができない。

2  前項の双務契約の相手方が再生手続開始の申立て後再生手続開始前にした給付に係る請求権(一定期間ごとに債権額を算定すべき継続的給付については、申立ての日の属する期間内の給付に係る請求権を含む。)は、共益債権とする。

3  前二項の規定は、労働契約には、適用しない。

民事再生法では「継続的給付の義務を負う」双務契約が共益債権となると規定しています。

通勤や通学定期は別として、通常は鉄道会社を利用するのに、継続的な契約を結ぶ必要はありません。

乗車したければ、駅に行ってチケットを買えばよいだけですからね。

つまり、鉄道会社と利用者との契約は双務契約ではあっても、「継続的給付の義務を負う」双務契約ではないので、利用者が負担する義務(乗車賃=交通費)は共益債権に該当しません。

 

ピタパは乗車料(利用料)を後払いするものです。

後払いとは、平たく言えば、「ツケ」です。

「ツケ」とは「負債」のことであり、共益債権にならないのであれば、他の債権と同じ取り扱いをしなければならないのです。

 

2.ピタパの利用は止めてもらう

債権者平等の観点から、私は、下記の考えで対応しています。

2-1.未払い分がある場合

支払いはできません。

この場合、未払い分は再生債権と言って、個人再生の対象となる債権に含めねばならず、ピタパ分だけ支払いを継続することは他の債権者を害することになるからです。

カードは返却するか、利用廃止手続きをしてもらいます。

2-2.未払い分がない場合

未払い分がなくても、利用はできません。

手元にあるカードを使うことは、新しく「借財」をするのと同じことであり、たとえ少額でも債権者を害することになるからです。

 

3.個人再生後、それでもピタパを使いたければ?

債務整理をすると、いわゆる「ブラックリスト」に載るので、しばらくの間はカードを作ることができなくなります。

しかし、個人再生手続終了後、どうしてもピタパカードを使いたいのであれば、方法があります。

ピタパカードは、電鉄会社により利用できる機能に違いがあるので、詳しくは、ピタパのサイトをご参照ください。

今回、ご依頼者様より提供いただいた情報を基に、調べてみました。

 

3-1.PiTaPaベーシックカード

クレジット機能なしのベーシックカードだそうです。

ただ、限度額は低いものの、ショッピング機能があるらしく、この点であなたが審査に通るかどうか申し込んでみないと分かりません。

 

3-2.保証金預託制PiTaPaカード

PiTaPa交通サービスのみ利用できる。

一か月の利用枠(1万円、2万円、3万円、4万円、5万円のいずれかを選択)の4倍の保証金が必要になる。

PiTaPaショッピングサービスは利用不可。

このカードは保証金が用意できれば、審査なしで発行されるようである。

 

4.まとめ

ピタパ利用料は「共益債権」にあたらないので、他の債権と同列に扱わねばならない。

個人再生においては、未払い分があってもなくても、ピタパは利用できない。

再生後、ピタパカードを持てる可能性はある。

 

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