給与所得者等再生



 

給与所得者等再生とは

個人再生には、「小規模個人再生」と「給与所得者等再生」という2種類の手続きが用意されています。

2種類の手続きの相違点については別の投稿で説明することにして、今回ここでは、誰が給与所得者等再生を利用できるかについて説明をします。

 

どんな人が給与所得者等再生を利用できるのか

このようなイメージです。

まず、前提条件として、小規模個人再生を利用できる人でなければなりません。

すなわち、

個人債務者であること
破産手続開始の原因となる事実の生ずるおそれがあること
又は
事業の継続に著しい支障を来すことなく弁済期にある債務を弁済することができないこと
将来において継続的に又は反復して収入を得る見込みがあること
再生債権の総額が5,000万円を超えないこと
(ただし、この5,000万円に住宅ローン、担保付債権の回収見込み額、再生手続開始前の罰金等は含みません。)

これらの条件をクリアした人が小規模個人再生を利用できます。

給与所得者等再生を利用するには、さらに二つの条件をクリアしなければなりません。

給与又はこれに類する定期的な収入を得る見込があり、かつその変動の幅が小さいと見込まれるものであること

再利用制限に抵触しないこと

(1)前回の給与所得者等再生における再生計画が遂行された結果、免責を受けた場合は、その再生計画認可決定の確定の日
(2)小規模個人再生又は給与所得者等再生におけるハードシップ免責の決定に係る再生計画認可の決定の確定の日
(3)破産手続きによる免責決定が確定した日

から7年以内の申立に該当しないこと

(民事再生法21条、221条1項、239条1項5項)

 

「給与又はこれに類する定期的な収入を得る見込があり、かつその変動の幅が小さいと見込まれる」とは

サラリー(給与)をもらっている人、公務員、年金生活者等であって、年間の収入の変動の幅が5分の1以内である人が該当します。分解して説明してみましょう。

「給与又はこれに類する定期的な収入」とは

ポイントは「定期的」という文言です。

一定期間ごとに一定額の収入があることが必要とされます。

給与取得者(民間・公務員)なら、この点はクリアできます。

年金も、定期的な収入に該当しますから、問題ありません。

 

「その変動の幅が小さい」とは

この点について、民事再生法239条1項は明確な基準を示していないのですが、民事再生法241条2項7号イにはこうあります。

 「再生債務者の給与又はこれに類する定期的な収入の額について、再生計画案の提出前二年間の途中で再就職その他の年収について五分の一以上の変動を生ずべき事由が生じた場合」

この規定は、給与所得者等再生手続きで、債務者の弁済総額を計算するにあたり可処分所得額を出す必要があるのですが、「給与等に年収の5分の1以上の変動があった場合、可処分所得の計算方法が変わりますよ」ということを定めています。

この規定から、一般的に「5分の1以上の変動」を基準として考えることができるのです。
したがって、「変動の幅が小さい」とは「5分の1以上の変動がない」と考えればよいことになります。

 

「再利用制限に抵触しないこと」

以下の3類型に該当する場合は、7年間は給与所得者等再生の再申立て・再利用ができません。

(1)前回の給与所得者等再生における再生計画が遂行された結果、免責を受けた場合は、その再生計画認可決定の確定の日
(2)小規模個人再生又は給与所得者等再生におけるハードシップ免責の決定に係る再生計画認可の決定の確定の日
(3)破産手続きによる免責決定が確定した日

再申立てが制限される理由

給与所得者等再生手続きでは、小規模個人再生と違い、債権者の同意を必要としません。

前回給与所得者等再生が認可された、あるいは、破産手続きで免責が確定した日から短期間のうちに、再び、債務者の都合により、また債権者の同意を必要とせずに手続きを進めてしまうのは道徳上、倫理上の見地からふさわしくないという判断によるものです。

 

まとめ

給与所得者等再生を利用するには、小規模個人再生を利用するための基準をクリアした上で、さらに、
「給与又はこれに類する定期的な収入を得る見込があり、かつその変動の幅が小さいと見込まれるもの」であり、
「再利用制限に抵触しないこと」という二つの基準をクリアしなければならない。

 

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